私の天秤の上、全部いっしょくた

「こたにな々 日記帳」 文から何も気付かなくていい、それだけが私の願い。

「魔の名付く女に生まれて」 2013.08.07 

 

 

-私は脱ぎっぷりの良い女が好きだ。

ある種の「正しさ」さえ感じる

 

自分が堂々と脱げる体をしていない事も含め、

脱ぎっぷりの良い女が大好きだ。

 

 大学生の時に私は、1960年代からお芝居や映画で活躍されてる

「緑魔子」という女優さんの事を大好きになった。

 

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◆時は2013年!

近年は数年に1度ドラマか映画に稀に出演されるような小活動の中。

なんと13年ぶりに舞台に立たれるという劇に

ラッキーの縁があって私も観に行ける事になった。

(なんだ!この人生はなんだ!)

まさか私の人生で動いている魔子様を観れる日が来るなんて。

 

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「渋谷系」というジャンルの音楽が好きな私は

その音楽の元ネタを探る人なら皆辿り着くだろう(たぶん)

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1990年代東京のピチカート・ファイヴ

 

アンナ・カリーナやツイギーみたいなアイコン的女性や

ゴダールビリー・ワイルダーをはじめとしたレトロ映画や

マリー・クワントのミニスカート・ワンピースに、

ヴィダル・サスーンの世にも美しいボブカットに、イームズの椅子とか

笑っちゃうくらいベタにベタな1960年代カルチャーがやっぱり大好きで。

 

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◆だけどそういう写真集や資料をスクラップしている時、

そんな外国文化に憧れ流行り、独自に消化し「なりきる」。

1960年代の日本の混沌としたアングラな空気感の方にこそ

何か私を突き刺す匂いがあり、

リアルで不格好でかっこいいなと鼻血を出す勢いで猛烈に憧れてしまい。

 

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https://jooy.jp/5446

 

やっかいな事に

わざわざ神戸から大阪のサロンまで髪を切りに行っては

直毛に生える髪を綺麗なボブカットにする為パーマをあて。

茶色くさい地毛を黒染めしては付けまつげ2枚重ねで、

独特の匂いを放つ半ばブティックの古着屋さんで

これは何模様ですか?っていう(正解=幾何学模様)ワンピースを買い漁った。

 

 

◆気持ちだけは四畳半に住んでいて(住んでない)

時はすでに21世紀だけど、私は20世紀をこれでもか!と

引きづり倒して生きていたのでこの頃よく、

青春を思い出したと思われる60才以上のおじいさん達の

目的の分からないガールハントに遭遇した。

 

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鈴木いづみ - Wikipedia

 その日々の私のミューズが今は亡き、

元ピンク女優で作家の鈴木いづみであり、

 

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まさか会える、緑魔子だった。

 

あえて、この2人の共通点を挙げるなら、

2人とも超脱ぎっぷりが良かった。

そして、どこか2人とも少しトんだキャラクターだった。

 

私の目には、惜しむ事なく

男には出来ない女に生まれた武器と感性をフルに使い

生き抜く姿は、かっこ良い以外の何者でもなかった。

(同じ理由で私は藤子・F・不二雄の佐倉魔美ちゃんも大好き!)

 

 

◆魔子様の映画での役所は、舌ったらずに話す少しお馬鹿さんだったり

田舎から出て来た女の子だったり、騙されては脱がされる役が多く。

でも健気で、いつも負けず。

状況によっては開き直ったり環境に順応して強い。

セリフを言う声の張り上げ方もハッとさせられるものがあって、

時にはトリップしてただひたすら踊り狂ってる場面が延々続いたり、

大きい瞳と共に時間も止まるミステリアスな表情をしたり。

混沌とした不思議な時代のスクリーンにぴったり映える

唯一無二の存在を放つ女優さんだと思う。

そして、美しい。

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◆今回、劇団の座長でもある女優の渡辺えりさんが魔子さんの大ファンで。

自分の劇団の舞台に出てくれないか。とアプローチして

舞台から離れていた魔子さんを

13年ぶりに舞台に出演させる事に成功した経緯があった。

 

 

◆私は当日ワンピースとたぶん赤いリップを付けて向かった。

フワフワしながら下北沢に着いて

開演直前に会場の本多劇場に入り、

あまり実感もないまますぐに開演し

スポットライトが1人の女優さんを照らした時、「魔子様だ」と思った。

 

息をのんだ。

 

もう70近い年齢のはずの魔子さんは今もやっぱりあの華奢なままで

衣装から伸びるキュッとした長い手足で、

顔も小さく大きな瞳は、どこの誰にも感じた事のないような

魅力的な忘れられない人の形をしてた。

なんか、ハァァとして動きを目で追うばかりだった。

少ししゃがれていたけど、今もハッとする女性の発声をする魔子様の声だった。

 

劇の内容は東北震災に影響を受けた内容で。

現代・過去の時間軸やイタリア古代都市のポンペイや東北が行き来するよく出来た話で、歌も笑いもアングラ演出の要素もある見応えある劇だった。

 

とかガッツリ劇の感想を言いたいのに、

演技や劇の感想を思い浮かべられない程には静かに舞い上がっていて

魔子様にただただ口を半開きにして圧倒されていた私には

1回じゃ観きれなかった。

 

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渡辺えりさんの隣。右から2番目が魔子様 

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という夢のような私の夢の時間は劇の物語の長さと共に終わって。

もしお会い出来たらとか考えたけど、お会いする事はなく

胸をいっぱいにするばかりだったので、急にお腹がすいて

豚骨ラーメンを食べて帰った。

 

ふぅ。

  

あと、まったく関係ないけど、

歌手の小島麻由美の「ま」がもしも「魔」だったなら

それこそ私は卒倒するだろうと思いながら、

 

色気とは無縁の私は今日もミューズ達を女の鏡として

胸に空想では脱ぎっぷりよく過ごします。

 

 

終わります。